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「再会」と呼べる「出会い」

第8章 その周りの人々

「スミレちゃん、
 まとめてくれてありがとう。
 明日は来れないんだっけ?
 準備、出来るだけ進めとくから」

「ミカ、大丈夫?」

「なんで?大丈夫だよ!」

スミレが心配そうに佐伯を見つめる。

「何か言われたの?」

「何も。お疲れ様。
 バスがあるから先に行くね」

佐伯はそう言うと
誰よりも先に調理室を出て行った。


「なんか…変ですよね。
 いつも、みんなと少しお話ししてから
 帰るのに」

シオリが佐伯を見送りながら呟く。

「次朗君、ミカに何か言った?」

スミレが、次朗を睨む。

「言ったっていうか
 やった、っていうか?」

ショウヤは一緒に出掛けたから
何か知っているようだ。

「ショウヤ、どういうこと?」

スミレがショウヤに問い詰める。

「…っと」

詰まるショウヤに被さり、
次朗が椅子を引く音を立てる。

「別に、何も…
 お疲れ様でしたー。」

次朗はそう言うと、調理室を出て行った。

どうやら入部早々、
何かやらかしてくれたようだ。

…俺がいると話し辛いかな。

「みんなお疲れ様」

俺は準備室に引っ込んだ。

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