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「再会」と呼べる「出会い」

第8章 その周りの人々

「え ショウちゃん
 イカ釣り船に乗った事あるの?!」

「叔父さんが漁師やってるんだよ
 イカがさ、大量に上がって来るのは
 見てて迫力があるぜ!」

「いぃ~なぁっ!!」

イカの話題で次朗の表情が変わる。

「そんなに興味があるならお前も乗る?
 夏休み、叔父さんに頼んでみるよ」

「やったぁ~!」

…お前 感情の起伏有り過ぎだろ

「へぇ、イカ好きなんだ!
 ミカ、イカ飯作るの凄く上手なんだよ」

セリハが悪戯っぽく笑った。

「だよなー。
 俺も自信ある方だけど…
 なんつーの? 
 お袋の味、みたいな?」

「お袋…  ねー…」

次朗がチラリと佐伯を見た。
見られた佐伯は
一瞬ピクリと肩を震わせた。

「魚介類はショウヤ君に適わないよ」

佐伯が苦笑し、謙遜する。

「…」

次朗は何も反応せず、窓の外を見た。


「…なんか、露骨よね」

「なになに?」

ヒソヒソ、
セリハとサナエが何か話している。

「…えーっ! マジでっ?!
 ミカばっかズッル!!…あ」

ほぼ全員… 次朗以外が
そちらに注目した。

「…ごめんミカ」

セリハが佐伯に手を合わせた。

「別に何も無いよっ!
 …続きは明日、話し合いますっ!
 今日はお疲れ様でした!!」


…やっぱり、何かあったんじゃないか。

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