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「再会」と呼べる「出会い」

第8章 その周りの人々

道具を部室に片付けていた。
次朗さんはそこに、現れた。

「やっぱり、違う部活も
 覗いてみたくなりました?」

女だらけの料理部じゃ、
煩わしい思いをしたんじゃないか?
皮肉を込めて、尋ねてみた。

「…リョウちゃんに会いに来ただけ」


ん? あれ?
なんかいつもよりテンション低…


「あーっ!!出たなっ!!」

ジョウロを片付けに来た山一が叫ぶ。
何故か隣の三井を庇う仕草。

「ヤマチャン先輩、
 それにミッチ先輩お疲れ様。
 ミッチ先輩、
 相変わらずイー匂いだねぇ」

元気ないと思ったけど…いつも通りか

…ん 匂い?
結構距離あるぞ なのに分かるのか?
…三井から イー匂い?
次朗さんが匂いって言うと…

「まさか…次朗さん、
 三井にも何かしたんですか?」

「次朗…さん?
 香田君、年下の次朗君に敬語って…」

あ やば

「あーいやいや、つい…」

流してくれ 山一…

「何もないよ
 匂い、嗅がれただけだよ」

三井が穏やかに笑む。

はぁっ?

匂いをかがれるって!
一体どんな状況だよ!?

思い切り突っ込みたいところだが、
山一達に不審がられても面倒なので
まず、深呼吸する。 
落ち着くんだ 俺!

「次朗さ…
 次朗くん、そういうのは
 日本では失礼に当たるんだよ」



現実には彼の方が遥かに年上だが
一個下、ということで在学している為
言い方を変える… 違和感。






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