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「再会」と呼べる「出会い」

第10章 文明の利器




「月子の方はどうじゃ?」

「襲われた時に
 一瞬戻ったっきりだよ。
 …あとは全然だめ。
 頼りの兄さんはさっぱりだし…。
 てっきり今時の若者で
 そういう事はガンガンいけると
 思ってたんだけど。
 良くも悪くも昔と同じ、堅物」

「堅物 か」

「いっそドラおじさんが
 目の前に現れるとか…
 それじゃ駄目かなぁ?
 父親なんだしさ、動かされるもの
 あると思うよ。」

「そう するとするか。
 若干荒療治のようじゃが…
 いかんせん、時間がない。
 奴らはもう動き出しておるでの。」

「活発化してるんでしょ?
 月ちゃんの事も掴んだようだしね。
 …エレミムが
 直にくる可能性もあるし。
 そしたら、俺じゃ
 手に負えなくなる。」

「茜ちゃんやリョウ、太郎には
 あまり無理はさせられんか…」

「あの三人は何かあった時の
 現実への負担は大きすぎるからね。」

「分かった。 
 月子にはわしがつくことにしよう。
 ダーマにはわしから話しておく。」

「お願い」



2人が座るカウンター席と
私たちがいるテーブル席は
触れられる程の距離だったから、
会話はなんとなく耳に入ってきた。

“ダーマ”って人の名前だったんだ。

リョウってリョウくんだよね…。

無理させられないとか、
負担が大きいとか

…なんだろ 凄く怖い感じ



それに“月子”って



あれ?








知らない名前じゃない感じがする。


そして、
何故か脳裏に神鳥さんが浮かんだ。


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