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「再会」と呼べる「出会い」

第10章 文明の利器

次朗くんとオジサンの会話の内容

その真相について
私が知らされるのは
かなり後になる。

今起こっている事
これから起きようとしている事

それはまた…



「お待たせしました。
 ダーマスペシャルです。」

テーブルに置かれた 
その幸せの塊とも思しき物は
私達三人をどこまでもときめかせた。


フレンチトーストって
こんなに素敵だったかしら…!



「うぅわぁぁあ!!!」

ミッチが感嘆の声をあげた。

「いやっ!
 食べるのもったいないっ!!
 すごくキラキラしてるよう!!」

ヤマちゃんが泣きそうになっている。


二人の気持ち、よく分かる。


焼きあがったパンの色は
キツネ色と言うよりは黄金色。
トロリとのせられた
アイスクリームに振られたのは
シナモンパウダーかしら…


「どうしよっ! どうするっ?!」

ヤマちゃんが感動し過ぎて
興奮してる。
彼女のこういうの、珍しい。
そして何だかすごく可愛い。
この姿、
ヨッチ君にも見せたいな…なんて。



「あったかい内に食べてね。
 出来ればアイスクリームと
 フレンチトーストの
 絶妙な温度差を楽しんで欲しいな」

マスターがにっこりと微笑む。


はいっ
是非そうさせて頂きます!

私達三人はほぼ同時に
フォークを取ってお皿に運んだ。



うまく説明出来ないのが辛いところ。



とにかくこれ、美味しすぎる。






一瞬で、
人を幸せな気分に変えてしまう。

料理の力って本当に凄いと
改めて思う。



「あーあ
 こういう所、キヨには適わない。
 俺にはこんな顔させられないもん。」

いつの間にか次朗くんが
こちらに視線を送っていた。
何故かどこか、ふてくされた表情で。

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