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「再会」と呼べる「出会い」

第1章 苦過ぎた初体験

映画館に着いた。

私達が見ようとしているのは
今、ちまたで話題になっている
SFアクション映画

私はアクション映画って
イマイチ苦手なんだけど…
優司くんの事を知る為には
一緒に見た方がいいよね。


「人、多いな。
 はぐれんなよ」

そう言って、
優司くんは私の手を掴んだ。

こういう事を
さり気なく出来ちゃうから
モテるんだろうなぁ…

手を繋いだまま、
私達は席に着いた。

席は一番後ろの真ん中だった。

繋いだ手は、
席に座った時に解放された。

…けど なんか
緊張する…

薄暗いからかな…

「イイ席だな」

「え あ…見やすいね」

「それもあるけど…」

………………!!!

…ウソっ?!

優司くんの唇が
静かに私の唇に触れた。

…誰かに見られちゃうよっ!

幸い、一瞬だったからか
誰にも気付かれてないようだ。

…はぁ…

「…ダメだよ こんな所で」

「ミカって堅いのな」

「人前で、とか
 ちょっと嫌かな…」

「そっか」

優司くんは不機嫌そうに
スクリーンに目をやった。

機嫌損ねちゃったかな

けど、付き合うんなら
嫌なものは嫌って言わなきゃ
対等が良いって言ってたし。

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