無料で楽しめるちょっと大人のケータイ小説

「校長先生！
　聞いて下さいよ！！
　隠土君が俺を一方的に…

　…」


助けを求めるように駆け寄った木瀬が
突然足を止める。


「サッカー部は
　だいぶ風紀が乱れているようね。
　私も聞きたい事があったの。
　最近、四組の石山ユリカさんが
　休んでるんだけど
　風邪とか病気が原因では
　ないようだし…
　確かあなた達、仲良かったわよね。」

石山ユリカ
性格の明るい、ギャル系の女子で
確か百瀬とも仲良かったな。

そういや、
新学期に入ってから見てない。


「さぁ、俺にはサッパリ…」

木瀬の視線が泳ぐ。


「あら？そうなの？
　てっきり一番よく
　事情を知ってると思ったのに」

「石山にも何かしたのか？」

したんだろ？

「俺にはわかんねぇ。
　連絡取れねーから
　寧ろ心配してた。」

限りなく、嘘臭い。

「石山さんに聞いてもね、
　何も話してくれなかったの。
　…余程怖い思いさせられたのかしら
　ガタガタ震えてね。
　さっきの木瀬君みたいに。」

校長先生の瞳が深紅に染まった。

「あら？
　木瀬君、ズボン、どうしたの？
　お洗濯の仕方、
　隠土先生に教わった方がいいわね」

木瀬のこめかみを汗が伝った。

「あ　　…あれ？
　暑い…」

「おかしいわね、
　今日は風があって涼しい位よ」

「あっ　熱っ…　っはぁ　はぁ
　み　水…」


木瀬の頭も、シャツも
まるで水でも被ったように濡れている。

「木瀬？　どうした？」

隠土先生が心配そうに木瀬に近寄る。

そうかこの人

まだ　知らないんだ。