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「再会」と呼べる「出会い」

第12章  イカ祭りの誘惑

「提灯アンコウの写真の前から
 なかなか離れなかったよ。

 
 はい 出来た!」

テーブルの上にはイカ墨パスタ、
それにサラダ、スープが並べられた。
因みに、サラダとスープにも
イカが入っている。

見事にイカづくしだな…

しかし


「お前、料理出来るんだな」


百年前は軽く手伝いはしても
自分で作ったりはしなかった。


「そりゃあね。
 育児もしたし、
 家事スキルは確実に上がったよ」

「そっか。
 お前子供いるんだもんな。」

「それに孫達も育てたしね、
 キヨやウメ、たろちゃん姉弟もね。」

キヨ…は濁天マスターの清和さん。
たろちゃんは松井先生、とお姉さんか。

「ウメ?」

まだ、知らない名前だぞ。

「ウメはキヨの双子の妹だよ。
 宿屋をやってて…
 人間界で言う“ラブホテル”
 ってやつかな」



へー…


ん?


「人間界?」

「あの子は
 人間界と魔界の狭間にいるから。」

「はざま?」

「そう。その内紹介するよ。
 あの子も兄さんやかんちゃんに
 会いたがってるし。」

「そうか…。
 俺も、会ってみたいな。
 マスターの双子の妹さんなら
 綺麗な人なんだろうな。

 いただきます。
 …お これ、美味いなぁ」

次朗のイカ墨パスタ、
なかなかイケる。

「でしょ?
 やっぱイカ最高!」


狭間 か…。
まだまだ
俺には知らない世界があるらしい。


「兄さんあのね」



「なんだ?」

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