テキストサイズ

「再会」と呼べる「出会い」

第12章  イカ祭りの誘惑

部屋に戻り
私は鞄から小さな紙袋を出した。

思わず にやけてしまう。


実はこれ
次朗くんが買ってくれたのだ。



『これいいなぁ…ミカもどう?』

『うん 凄く可愛い!
 それによく出来てるね。
 このリアルな触手がいいなぁ』

『じゃ 三個』

『三個?』

『俺と兄さんと、君の分』

『いいの?』
 
『今日の記念に』

『ありがとう!』


このリアルなスルメイカの
キーホルダーは
半透明なプラスチック製で
光に当てるときらきらしてとても綺麗。


私はそれを 
なんとなく 抱き締めた。


抱き締めて 
今日の次朗くんを思い出した。


腕 胸 声 
そして唇


一つ一つ頭の中に浮かべていくと
なんでかな…
次第に身体が熱くなってきた。

うずくって いうのかな…。




この感覚はなんだろう

もっと 次朗くんに触って欲しい

出来れば身体の 奥 まで



…あぁそうか


コレが欲情ってやつだ。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ