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“誰かと誰かが”

そんな噂はあっという間に広がる。
だとしたらきっともう既に…。





私は緊張しながら教室に入った。


「おはよーっ」

「おはよ　佐伯」



…




なんか　　普通だ。



「…おはよう」



まだ　これからなのか
学校外の誰かだったのか


ハッキリとはしてないけど
私は少し　安心した。




あれ？



先に来たはずの
リョウ君の姿が見えない。


「香田なら保健室行ったぜ
　傷が痛ぇとか言って」

「あれさ絶対ケンカだよな」

「俺も思った！
　本人否定してたけどな
　相手誰だろな
　香田のケンカ見たかったなぁ」


リョウ君といつもつるんでいる
男子達が聞かなくても教えてくれた。


「佐伯　仲良いんだろ？
　なんか知らねえ？」

「河原に落ちた　って聞いたよ」


「絶対嘘だって！」
　


…確かに私も　疑ってる。