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誰に告白されても
決してYESと言わなかった
神鳥由芽がとうとう折れた。
相手は隠土次朗。
二人は普段から夫婦漫才やる程
仲が良かったし、
美男美女という並びは
誰が見てもお似合いだと言う。

二人の交際は周りの誰もが納得した。




…という内容を
俺は昼休み前の、
授業の終わりに耳にした。



「かんちゃんに
　悪い虫が付かないように
　防御線を引こうと思うんだよね
　俺自身も
　ちょっと面倒な子に
　付きまとわれちゃってるし
　一石二鳥」


これは　その防御線だ。


「大丈夫！
　あくまで形だけって事にするから
　かんちゃんには
　絶対に手を出さないよ」


…あいつのことを
信用していないわけじゃない

只　


俺は自信が無かった



いくら“フリ”だとしても
万が一の可能性がある。

次朗にその気が無くても
神鳥があいつのことを
好きになってしまうかもしれない。

何しろ
誰が見たって仲がいいらしいからな