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「再会」と呼べる「出会い」

第14章 最強の彼女


「なぁ 香田
 昨日 具体的には
 何があったんだ?」


戦闘訓練とは聞いたが
何故月曜前の夜中に次朗と香田が
対峙する事になったのか
詳細は聞いていない。


「ムカついたんです」

「あー分かるな
 俺も何度か
 本気ではり倒したいって思ったもん」


松井先生が被せるように同情した。


「ミカの気持ちを
 受け取るつもりはないって言うんで
 だったらなんで気持ちを
 弄ぶような事をするのかって」


弄ぶ か


「けど …俺 分かったんスけど
 次朗さん
 ミカの気持ちを弄んでた
 わけじゃなくって
 …あの人 不器用なんスね」

「百年以上生きてる割に
 自分のコントロール
 …特に奥さん 
 佐伯さんの事にはね
 全然出来てないかも」 


そうなんだよな。
言ってる事とやっている事が違う。


「だな
 頭より身体が先に反応するらしい
 
 佐伯には
 俺からフォローしとくよ
 部活の前にでも」


このままじゃ 可哀想だ


「ですね
 兄である隠土先生が言えば
 説得力ありそうですし」

「お願いします
 あんま泣かせたくないんで」




ガラッ  





「お疲れー
 …みんなお揃い?
 にぃーさん 飯頂戴
 ハラ減った」




そう言って入ってきた
次朗の態度は
何事もなかったように
楽天的だった。


この野郎

香田や松井先生じゃなくても
確かに張り倒したくなるかもしれない







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