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「再会」と呼べる「出会い」

第15章 そして繋がる

物置小屋の氷は
綺麗さっぱり溶けてしまった。

今は寒さも、暑さもない。

壊れた戸口から流れ込む春の空気が
ただ心地よい。


次朗君はさっき
エミたちが行為を行っていた土袋に座り、
こちらを見つめている。



次朗君は
悪魔の血を持っているらしい。

時折見せる
紫色に輝く瞳に合点がいった。
少し人間離れした妖艶な分意気も。


「…」


私も次朗君を見つめている。
次朗君自身を改めて、
きちんと見つめたかった。

目だけじゃなく
心でしっかりその存在を感じたかった。

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