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「再会」と呼べる「出会い」

第15章 そして繋がる

「言いたいことがあるならどうぞ」


次朗君が後頭部を掻きながら言った。


「助けてくれてありがとう
 …まだちゃんと言ってなかった」

「うん」


取り敢えず、お礼。


「けど少しやり過ぎだよ
 あそこまでする必要は
 ないと思うけど」


エミの痙攣する両足が脳裏に蘇った。
…エミ 大丈夫かな。


彼女を許したわけじゃないけど
少し心配だった。



「これからは気をつけるよ」

「エミは元に戻るの?」

「兄さんがなんとかしてくれるよ」

「隠土先生も…
 普通の人間じゃないんだね」

やはり次朗君の兄である
隠土先生にも特殊な力があるらしい。

思い起こせば一番最初に会った時も
おそらくその特殊な力で
私の身体を治してくれたのだ。


「けど兄さんは悪魔じゃないから」


「うん 全然見えないし」

隠土先生は
どちらかというと天使っぽい。

「俺のことは悪魔に見えたんだ?」

「だって…
 …あの 
 エミに憑いてるものは…」


綺麗過ぎる


男の人に
そう言っちゃってもいいのか
迷って、私は言葉をのんだ。

「…それ専門の子がいるからね
 大丈夫 心配いらないよ

 …そもそも
 自分を陥れた人間を心配するって
 君はお気楽だね」


次朗君は苦笑した。


「そういうところも同じ」




「同じ?」



…そうか




「次朗君
 本当のことを教えて

 私って次朗君にとって
 本当は何なの?」

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