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「再会」と呼べる「出会い」

第16章 それは襲い来るもの

「悪いけどお願いできる?」

保健室に入るとすぐに、
校長先生は誰かに電話をかけた。

恐らく、「それ専門」の誰か。
除霊師…か、もしくは
次朗の口ぶりからして退魔師。


「なるべく急いでるの
 ここに来てくれたら
 嬉しいんだけど… 」



「大丈夫そうですね」

松井さんが呟いた。
松井さんは相手が誰なのか
分かるようだ。



「じゃ 待ってますね」


カチャ


校長先生が携帯電話を閉じた。


「今来てくれるわ
 百瀬さんも大丈夫よ」

そう言うとおもむろに、
部屋の全てのカーテンを閉じた。
廊下との戸についた小さな小窓にも
その辺にあった紙を使って目隠しをする。


見られたら困る

ということか。
しかし、入ってくるなら玄関からだろう?


そんな風に俺が考えていると



「隠土先生
 これ 消せるわよね?」

「え」


校長先生が油性マジックで
保健室の床に円を描いた。

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