無料で楽しめるちょっと大人のケータイ小説

「歩き辛そうだし…
　泣いてるし…
　もしかしてどこか具合でも？」

穏やかな男の人の声
スーツ着てる…サラリーマン？
けど、買い物袋からネギが出てる。



…げ

歩き方がおかしいことに
気づかれてた…　

やだ
恥ずかしいよっ！

「だ　大丈夫ですっ」

どこかに行って欲しい。

お願いだから放っといて
今はどんな親切も辛い

っていうか私

…今は怖くて　あなたの顔も見れない…

人と対面するのが怖い…。



「すみません
　ホント、大丈夫ですから」

大丈夫じゃないけど
他に言葉が出ない。

「…あ
　誤解して欲しくないから
　一応言っとくけど、　
　ナンパじゃないから。　
　はい」

何か　差し出してる。
…ポケットティッシュだ…

「福引きで貰ったやつだから。
　勿論、返そうなんて思わなくていい」

「ありがとうございます。」

福引き、そう言えば
スーパーでやってたっけ…。

…受けとっちゃった…

「どこが痛いんだ？」

「え」

アソコとは　言えません。

「あのっ…ホント、
　気にしないで下さい…
　これ（ティッシュ）
　ありがとうございました
　…いっ…！！」

頭を下げようとした時だった。
腰が引きつったようになり
鈍痛が下腹部を走る。