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「再会」と呼べる「出会い」

第17章 溶ける体温

「どうぞ」

私はドアを開けて、
次朗君を部屋に招き入れた。

「好きだよねー」

次朗君が壁に貼っていた
深海魚のポスターを指差す。

「次朗君の部屋にも
 大王イカが沢山いたよね」

「似たもの同士」

「どうかなー…
 はい お茶
 サンピン茶平気だよね?」

次朗君の瞳が怪しく光り、
私は少し焦った。

思い過ごしだろうけど
直ぐ下には家族がいるから
ここでは困る…。


「うん好きだよ
 沖縄にでも行ったの?」

「おばあちゃんが友達とね
 旅行が大好きで
 よくあちこち行ってるのよ」

「いいね 旅行が趣味か」

「あと ゲートボールもね」

「健康的だなぁ
 ゲートボールって言えば…」


私達は
お茶を飲みながら
他愛もない話をした。

こういう風に
二人の時間を過ごせるのは
懐かしいし、嬉しい。

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