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「再会」と呼べる「出会い」

第17章 溶ける体温

私の部屋には
コタツテーブルが置いてある。

受験の時に
兄が使っていた物を
そのまま譲り受けたのだ。

友達が来た時に便利だし、
冬はこたつに入って
勉強が出来る。

これでも受験生だしね。

私は英語のノートを開いた。
えっと辞書…


「英語?」

「そう 明日授業があるから
 教科書を訳さなきゃいけないの

 …次朗君 
 ちゃんと授業に出てるんだね」

「うん
 昔は殆ど行ってなかったし
 この生活も新鮮で気に入ってる
 
 それに
 知識が増えるって楽しいね
 小説のネタにもなるし」


楽しそうに語る次朗君を見て、
私はなんだか嬉しくなった。


「やっぱり書いてるんだ」

「これが一番稼げるからね」


稼いでいるのね…。
なんだ 変わってないや。





「んー…」

辞書見ても分かんないよぅ

「どうしたの?」

「ここ訳せなくて」

「あー これはね」



次朗君は英語が得意だった。



「あ じゃ じゃあここは?」

「そこはね… 
 is pleased with ...」

「そっか!」





…こういう時間いいな。




私は幸せだった。




■□■ 第17章 おわり ■□■









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