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「再会」と呼べる「出会い」

第18章 冷 え

「…」


そうか …そっか


「お前は死なないよ
 月子の記憶だって戻ったんだ
 それに仲間もいる」


幸せすぎて
不安になったってやつか。

こいつは昔から
意外と気が弱いところが
あるんだよな。


「…」


「俺もいる」


「兄さん
 戦力には殆どならないじゃない

 正直
 擬体ではあったけど
 エレミムと対峙して
 力の差を見せ付けられた

 月ちゃんいてくれなかったら
 …俺 やられてた」




次朗が膝に顔をうずめる。



「怖いよ
 ミカとまた離れるのが怖い
 好き過ぎて怖い
 思われてるって分かるから
 …余計」


「…」


不安 …になるよな。


大切な者と別れる苦しみを
お前は何度も
経験してきたんだもんな。


「…ごめんね 
 うっとうしいとこ見せて」

顔を上げた次朗が苦笑した。

「いや 気にすんな」



こんな弱いところ見せられるの
多分俺だけだもんな。















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