
「再会」と呼べる「出会い」
第18章 冷 え
「そこで優司さんの祖父である
会長が一度佐伯さんに
お会いしたいということで」
は?!
婚約?!!
「婚約なんてしていません!
優司先輩とは
お別れしましたから」
私ははっきりと言った。
確かにあの時
松井さんに助けてもらって
優司君の合意を得ることなく
一方的に別れを告げ
家を出てきたことには
問題があると思うが…。
それ以降、
優司くんからの連絡は
電話でもメールでも
全く無かったし
諦めてくれたものだとばかり
思っていた。
「…おかしいですね」
男の人が無表情に呟く。
やはり
合意を得なかったことは
問題だったのかもしれない。
だけど…
婚約なんて…
「もう二度と
関わるつもりは
ありませんから」
私は強く言った。
「…少々お待ち下さい」
男の人はそう言うと
車に戻り、
後部座席の人物に
何かを伝えた。
「なんか面倒くさい感じね
別れたんだから
もういいじゃないの」
「…うん
けど一方的だったから」
「優司先輩から
その後何もないんでしょ?」
「うん」
生徒が帰りがけ
チラチラと車を見ていく。
よく見れば高級車だ。
ガ チ ャ
会長秘書の男の人が
後部座席を開けた。
中から杖をついた老人が
ゆっくりと降りてくる。
なんだかどこかで
見たことがあるような…
あぁ そうだ
鋭い目が
優司君と同じだ。
会長が一度佐伯さんに
お会いしたいということで」
は?!
婚約?!!
「婚約なんてしていません!
優司先輩とは
お別れしましたから」
私ははっきりと言った。
確かにあの時
松井さんに助けてもらって
優司君の合意を得ることなく
一方的に別れを告げ
家を出てきたことには
問題があると思うが…。
それ以降、
優司くんからの連絡は
電話でもメールでも
全く無かったし
諦めてくれたものだとばかり
思っていた。
「…おかしいですね」
男の人が無表情に呟く。
やはり
合意を得なかったことは
問題だったのかもしれない。
だけど…
婚約なんて…
「もう二度と
関わるつもりは
ありませんから」
私は強く言った。
「…少々お待ち下さい」
男の人はそう言うと
車に戻り、
後部座席の人物に
何かを伝えた。
「なんか面倒くさい感じね
別れたんだから
もういいじゃないの」
「…うん
けど一方的だったから」
「優司先輩から
その後何もないんでしょ?」
「うん」
生徒が帰りがけ
チラチラと車を見ていく。
よく見れば高級車だ。
ガ チ ャ
会長秘書の男の人が
後部座席を開けた。
中から杖をついた老人が
ゆっくりと降りてくる。
なんだかどこかで
見たことがあるような…
あぁ そうだ
鋭い目が
優司君と同じだ。
