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「再会」と呼べる「出会い」

第18章 冷 え

「なんか羨ましいッス
 次朗さんもだけど
 そういう相手がいるって
 いいですね」

香田が微笑む。

「そうだ香田!
 さっきの件なんだが」


先程の校門での一件。
真相を聞かなければ。


「はい
 井崎建設の会長でした」

「会長…だって?!」

「何々?
 大会社の会長さんが
 どうしたの?」

そうか
神鳥はまだ事情を知らない。

…話していいよな。

きっと大きな助けになる。







俺と香田は神鳥に
佐伯と井崎優司の事を話した。

「…ミカ先輩
 そんな大変なことに」


神鳥の眉間に皺が寄る。



「優司先輩と付き合ってる
 って聞いた時点で
 大変そうだとは
 思ってたけど… 
 まさかそんな事まで」


俺達は百瀬に憑けられた
吸精鬼の一件も話した。


「私も協力する」

「心強いよ
 けど次朗さんには
 内密に頼む
 あの人
 優司先輩に会ったら
 有無を言わさず…」

「分かった!」


神鳥が力強く頷いた。


「で
 会長の用事って言うのは
 結局何だったんだ?」

「それが
 優司先輩が
 ミカと婚約した
 って話を聞いたから
 ミカに会いに来たって」


「婚約…?!!」

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