「再会」と呼べる「出会い」
第19章 廃墟と花嫁
エミの事を敬遠し、
優司君の事を
ちゃんと知ろうともせず
ただ逃げていた。
「ミカ 泣きすぎ」
「う …っう」
ドアの方を向くと、
隠土先生は一足先に
部屋を出ていた。
「ミカ」
「なに?」
抱き締められたまま、
エミが私に向かって微笑む。
「ミカちゃん…より
ミカ の方が仲良くなれた
気がしたの」
「…何言ってるのよ
私達
ずっと友達じゃない
エミ」
「ありがと」
ドアの向こう
世界を区切るように
コーヒーの香りが広がる。
「当てられちゃったなー」
「? …え
ちょ…!!」
すぐそこ!
客席だよっ!!!
ト ン
背中に当たる壁が
ひんやり気持ちいい。
耳の横に置かれた手
指先が顎を傾ける
「んっ」
ちゅ
「記憶消すの
結構魔力を消耗するんだよね
満タンだったのに
もうカラカラ」
「え でも今は…」
「すぐ上だよ 俺の部屋」
次朗君が微笑む。
「場所 考えろよ」
!!!!!!!!!
「あっれ にーさん
覗きなんて悪趣味」
「丸見えなんだよ
こっからだとな」
カウンターに座った隠土先生が
ニヤリとイタズラっぽく微笑む。
「学校に帰ったかと思った」
「勝手に出てって悪かったな
なんかいない方が
良さそうだったから」
「僕がね
話しを聞かせて貰ってたんだよ
凄く心配したんだよ
倒れたって聞いたから」
マスターが眉を八の字にして
心配そうに次朗君を見た。
「年寄りをあまり
心配させないでね」
「大丈夫
キヨはまだ若いよ」
「ミカちゃんがいてくれて良かった
無事に戻ってきてくれて
本当に安心したよ」
「なんか大袈裟」
…マスターの気持ち分かるな。
「次朗君
だめだよ
心配かけちゃ」
「あのね
元はと言えば君が
鈍くさいからで…」
「分かってるよ
ごめんね
助けに来てくれて
ありがとう」
私は次朗君の腕にしがみついた。
「…大好き」
エミと優司君の雰囲気に
当てられちゃったのは
私も同じ。
「にーさん
二人の事任せた」
「え …あぁ
お前たち程ほどにな」
「羨ましいね」
私達はスタッフルームのドアを開け、
階段を上がった。
■□■第19章 おわり■□■
優司君の事を
ちゃんと知ろうともせず
ただ逃げていた。
「ミカ 泣きすぎ」
「う …っう」
ドアの方を向くと、
隠土先生は一足先に
部屋を出ていた。
「ミカ」
「なに?」
抱き締められたまま、
エミが私に向かって微笑む。
「ミカちゃん…より
ミカ の方が仲良くなれた
気がしたの」
「…何言ってるのよ
私達
ずっと友達じゃない
エミ」
「ありがと」
ドアの向こう
世界を区切るように
コーヒーの香りが広がる。
「当てられちゃったなー」
「? …え
ちょ…!!」
すぐそこ!
客席だよっ!!!
ト ン
背中に当たる壁が
ひんやり気持ちいい。
耳の横に置かれた手
指先が顎を傾ける
「んっ」
ちゅ
「記憶消すの
結構魔力を消耗するんだよね
満タンだったのに
もうカラカラ」
「え でも今は…」
「すぐ上だよ 俺の部屋」
次朗君が微笑む。
「場所 考えろよ」
!!!!!!!!!
「あっれ にーさん
覗きなんて悪趣味」
「丸見えなんだよ
こっからだとな」
カウンターに座った隠土先生が
ニヤリとイタズラっぽく微笑む。
「学校に帰ったかと思った」
「勝手に出てって悪かったな
なんかいない方が
良さそうだったから」
「僕がね
話しを聞かせて貰ってたんだよ
凄く心配したんだよ
倒れたって聞いたから」
マスターが眉を八の字にして
心配そうに次朗君を見た。
「年寄りをあまり
心配させないでね」
「大丈夫
キヨはまだ若いよ」
「ミカちゃんがいてくれて良かった
無事に戻ってきてくれて
本当に安心したよ」
「なんか大袈裟」
…マスターの気持ち分かるな。
「次朗君
だめだよ
心配かけちゃ」
「あのね
元はと言えば君が
鈍くさいからで…」
「分かってるよ
ごめんね
助けに来てくれて
ありがとう」
私は次朗君の腕にしがみついた。
「…大好き」
エミと優司君の雰囲気に
当てられちゃったのは
私も同じ。
「にーさん
二人の事任せた」
「え …あぁ
お前たち程ほどにな」
「羨ましいね」
私達はスタッフルームのドアを開け、
階段を上がった。
■□■第19章 おわり■□■