無料で楽しめるちょっと大人のケータイ小説

出てきたのは井崎と百瀬だ。

「…えっと」

井崎がばつが悪そうに
頬を染め、後頭部に手をやる。
百瀬は俺に気づくなり、
真っ赤になってしまった。

「まずは二人共座って
　コーヒーでいいかな？」

俺は二人に、座るようにすすめた。

あの部屋から出て来たっていうことは
話す準備が出来たということだ。


「ありがとうございます」

俺と一つ席を置き、井崎が座る。
その隣に不安そうな面持ちで
百瀬が座った。

「なんかスミマセン」

井崎が小さく呟いた。

話を聞く、とは言え
俺が就任する前に井崎は卒業したから、
お互い殆んど面識はない。

俺の方は
佐伯の事で嫌悪感を抱き、
そもそもの印象は悪かった。
しかし悪行の原因はそもそもハクアに
取り憑かれていた事にある。


「ミカは…？」

百瀬がすまなそうな表情で
顔を上げた。

高校生にしては
厚化粧で派手だった顔も、
すべて取り払われると
清清しいほど綺麗だった。
塗りたくる事で
何かを隠したい心理が働いていたのか？
そうともとれなくはない。
彼女なりに色々あったのだろう。


「…えっと」

やべ

次朗と佐伯は店の2階にある、
次朗の元自宅に上がったきりだった。
何をしているかは想像するまでもない。

取り敢えずあいつのケータイに…

「彼氏と一緒
だろ？先生」

「え あ あぁ」

正解を当てた井崎が
イタズラっぽく微笑む。