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BL~中編・長編集2~

第11章 ~恋の公式~

「チッ・・・」

俺が何も言わないことを肯定と取ったのか、あいつは強く舌打ちをすると、俺を壁に押し付け、田中のせいで乱れてしまったスーツを脱がせてきた。

「ちょっ・・・おい!!」

「うるさい。 黙ってろ。」

は? 何が黙ってろだよ。 俺らの関係は終わったのに、どうしてこんなこと・・・

「やめろよっ!!!」

強く胸を押し返すと、あいつは動きを止めた。

「なんなんだよっ・・・もう、俺達の関係は終わっただろ!? なんで、今更・・ッ・・・」


━1+1=2っていう公式があるだろ?━


「俺が誰と何したって、お前には関係ないだろっ!!」

自分で言って、泣けてきた。
こいつにとって、俺は一番便利なセフレ。 ただそれだけ。 俺で性欲処理できれば、それでいいんだろ?

━俺は、それを維持しようとしてるわけじゃない━

「っ・・・クソッ・・・」

こんなとこ見られたくなかった。 こいつには・・・俺の気持ちを知られたくなかった。
俺の気持ちを知ったら、こいつは、「面倒だ。」の一言で片づけてしまうだろうから・・・

「・・・おい。」

顔を隠している俺の腕を掴み、無理矢理顔を覗こうとしてくるあいつ。

「顔見せろ。」

「ッ・・・嫌だ。 なんでっ・・!!」

抵抗も虚しく、腕を引っぺがされ、涙でぐしゃぐしゃの顔が晒されてしまった。

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