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氷の王子と森の姫

第1章 プロローグ

コンコン


「氷の国の王子のアスです。」


ノックの音と共に聞こえてきたのは少し冷たい声。


「はい。」


私は、自らドアを開けた。


「…っ。」


氷の国の王子、アス様はとても美しく、思わず息を飲んだ。


「…申し遅れました、森の国のナチュルと申します。」


ドレスの裾を左右にひろげ、ぺこりとお辞儀をする。


「あなたが…」


その声はとても冷たく、まるで氷のようだった。

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