テキストサイズ

闇の王と光の騎士

第5章 破滅のはじまり

事態が思わぬ方向に進み、ゆきめは思わず傍観してしまっていた。

睨みあった二人。
最初に動いたのはソラだった。

一気に間合いを詰めようと地面を蹴る。

「させないわ」

紫響は鞭を大きくしならせた。

「ぐぁあっ!!」

まるで意思のある生き物のようにしなった一本鞭は、激しい音を立てソラの首を撃ちつける。

それは首の骨に異常をきたすほどの威力だった。

更に鞭はソラの首に絡み付く。
ソラは地面に倒れており、まるで犬を散歩させるかのような構図になる。

「うぐっ……」

「今よ、そこの包丁構えた処女ガキ!! 後ろからこのバカ真面目女にとどめを刺しなさい!」

紫響の命令でゆきめは我に帰る。

(この人を殺さないとっ……お父さんが殺されるっ!!)

ゆきめに戸惑いは、なかった。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ