闇の王と光の騎士
第5章 破滅のはじまり
しかし紫響は見逃さなかった。
相当な硬度がありそうな鎧を簡単に貫通させたゆきめの包丁の鋭さを。
(あの包丁……恐ろしい力を持ってる……)
不気味に光るその包丁目掛けて紫響は鞭を再び振るう。
「やめてっ!!」
ゆきめは学校でならった程度の魔法を放った。
「私はここでは死ねないっ!!」
二人の攻防に割って入るようにソラは残りの力を振り絞ってゆきめに体当たりを喰らわせる。
結果として誰一人攻撃が成功しない。
ゆきめがよろけた隙にソラはその場から逃げ出す。
瀕死の状態とは思えないほどの速度だった。
「嫌ッ……こんなのっ……こんなの嫌ぁあああっ!!」
返り血を浴びたゆきめは気が触れたように叫び、ソラと逆の方へと逃げていく。
「これがこの街のルールなの……思いしったかしら、処女ガキども……」
紫響はニヒルな笑みを浮かべ、落ちていたコートを拾い上げて羽織った。
戦いはまだ、始まったばかりであった……
相当な硬度がありそうな鎧を簡単に貫通させたゆきめの包丁の鋭さを。
(あの包丁……恐ろしい力を持ってる……)
不気味に光るその包丁目掛けて紫響は鞭を再び振るう。
「やめてっ!!」
ゆきめは学校でならった程度の魔法を放った。
「私はここでは死ねないっ!!」
二人の攻防に割って入るようにソラは残りの力を振り絞ってゆきめに体当たりを喰らわせる。
結果として誰一人攻撃が成功しない。
ゆきめがよろけた隙にソラはその場から逃げ出す。
瀕死の状態とは思えないほどの速度だった。
「嫌ッ……こんなのっ……こんなの嫌ぁあああっ!!」
返り血を浴びたゆきめは気が触れたように叫び、ソラと逆の方へと逃げていく。
「これがこの街のルールなの……思いしったかしら、処女ガキども……」
紫響はニヒルな笑みを浮かべ、落ちていたコートを拾い上げて羽織った。
戦いはまだ、始まったばかりであった……