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闇の王と光の騎士

第7章 地獄の門、開く

無表情で歩く霧里は一里塚の前でビクンッと身体を震わせた。

「何者だっ!?」

叫ぶと同時に飛び跳ねた霧里はナイフを塚に向けて放った。

「ひ、ひぃっ!!」

一里塚の裏から飛び出してきたのは月夜野だった。

いつもみんなから存在を忘れられる彼を感知出来たのは霧里の研ぎ澄まされた感覚の賜物といえた。

「貴様はここで何をしている?」

ローブの下に隠し持った匕首(あいくち)を握りながら霧里はにじり寄る。

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