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闇の王と光の騎士

第7章 地獄の門、開く

「逃がしはしないっ……」

冷静な判断と大胆かつ迅速な攻め。
それこそがこの天才少女の天才たる由縁だ。

月夜野の魔術が成立するより早く、一気にその懐まで詰め寄っていた。

「馬鹿なっ……!?」

「これでおしまいっ!!」

霧里が身体を大きく捻り、拳を突き出す。

「あぐうぅっ!!」

全力の正拳突きが月夜野の胸部に炸裂した。

ボゴッと鈍い音が鳴る。

その強烈な突きであばらが数本折れた。

「かはっ……かはっ!!」

月夜野は血の混じった唾を吐きながら、絶え絶えの呼吸を漏らして転げ回っていた。

この戦いで無傷であった霧里は冷酷な瞳でその様を見下ろしていた。

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