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闇の王と光の騎士

第7章 地獄の門、開く

(このままだと……本当に死ぬっ……)

月夜野は残りの力すべてを振り絞り霧里に向かい爆破の魔術を放つ。

しかし弱りきった月夜野の動きでは不意打ちにはなるはずもない。

霧里は悠々とそれを交わす。

「そんな大きな挙動のもの当たると思ったか!!」

しかし月夜野も馬鹿ではなかった。

「なにっ!?」

爆風が消え、舞い上がった砂埃が風で流されるとそこには既に月夜野の姿はなかった。

「ちっ……」

爆破はテレポートで逃げるための陽動にすぎなかったことを今さら気付かされる。

(獲物を前に舌舐めずりをするな、か……)

かつてアカデミーの先輩であったまあやに言われた言葉を思い出していた。

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