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闇の王と光の騎士

第7章 地獄の門、開く

櫻啼は黒翼を広げ、空へと舞った。

そして右手に構えた三ツ又の矛を突き立てて、紫響目掛けて急降下していく。

「空気鞭ッ!!」

紫響が天に向かい鞭をしならせると空気が鞭のように櫻啼に襲い掛かった。

「効かぬっ!!」

櫻啼は全身から気を放出させ、その魔術を凪ぎ払う。

「少しはやるようね……」

紫響の顔から余裕の笑みが消える。

先日の遥風に負けた櫻啼はより一層人間に憎悪を燃やしていた。

(この間のボケッとした奴といい、この女といい……人間にも少しは出来る奴がいるな……)

櫻啼は少し人間に対して気を引き締め直す。



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