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闇の王と光の騎士

第9章 暴君王のスピーチ

TOMは腕をコンパクトに振りながら月影との間合いを詰める。

無駄も隙もない動きに月影は後退するしかなかった。

月影が後退し過ぎて背中が壁につきそうになる時、TOMの左手が勝負を賭けるように突きを撃ってくる。

「翔ッッ!!」

しかしそれは月影の作戦だった。

TOMが仕掛けてくるのを誘導していた。

「なっ……!?」

月影は壁を蹴り、ふわりと舞ってTOMを飛び越し、背後を奪った。
勢い余ったTOMの鉤爪は壁に突き刺さってしまう。

「斬ッッ!!」

背後をとった月影は迷いなくソードを横一門に振り抜く。

「あぶねぇ!!」

キィーンと金属のぶつかる音が響く。
間一髪、TOMの右手の鉤爪が月影の剣を弾いていた。

だがTOMの左手の鉤爪は壁に突き刺さってしまっている。
その期を逃すほど月影は甘くない。

弾かれた剣はそのまま投げ捨て、術を構えた。



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