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闇の王と光の騎士

第11章 戦慄の国内浄化作戦

とはいえここで負ければ人類と魔族の未来はない。

「ガルルルルルッ……」

より一層獣と化したTOMは最後の気を振り絞るかのように唸る。

「そうだ……全力で来い……」

二人は円を描くように動き、互いの間合いを見定めあう。

常に強気の櫻啼だが、心の中ではTOMを強さを認めていた。

いつもだらけた態度だが本気になればその実力は計り知れない。
その事を櫻啼も知っていた。

「グァアアア!!」

狼のように荒々しくもしなやかにTOMが襲いかかる。
頸動脈に狙いをつけて噛みつきにいく。

「ふんっ!!」

櫻啼はその顔面目掛けてパンチを放つ。

「ガァアアア!!」

TOMは避けない。
危険を承知でその拳に噛みついた。

「うがぁあアアア!!」

TOMの牙が櫻啼の拳に食い込んだ。
拳を噛みつかれたサタンは振り払おうと必死に手を振る。


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