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暗部街には数々のマフィアが混在している。

その中でも最大規模であり、街の実権を握る組織がある。
その名は『梁山泊』。

数々の猛者を擁する梁山泊を束ねるのは伝説的マフィア『天剴（テンガイ）』という男である。

齢六十にして未だ前線で指揮を執るカリスマだ。

天剴は暗部街に建つ塔の最上階で街を見下ろしていた。

「すまいるの奴、攻勢に出て自滅だな……甘い奴だ」

「そうですね……今やすまいるの国内浄化作戦の卑劣なやり方は国中に知れ渡っていますから……国民の反乱は避けられないでしょうね」

天剴の隣に立つまあやも目を細め、夕日に染まる街を見下ろした。

「ようやくだな……あの男を引きずり下ろしてワシが天下を獲る日が近い……」

「はい……」