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闇の王と光の騎士

第5章 破滅のはじまり

エルフの森はこうした金持ちのスポーツハンティングの場所として昔から利用されている。

魔族が封印されていた間もほとんど無害のエルフはこうしてスポーツハンティング用として封印されずに放たれていた。

遥風はそのことについていいとも悪いとも意見はない。
ただ依頼された任務をこなすだけだ。


しかしそれをよしとしないものがステファノらの頭上に邪悪なオーラを漂わせて一人のサタンが舞っていた。
櫻啼である。

「まずはここだな……」

精霊とはいえ魔族の一種であるエルフを狩って楽しむという人間は櫻啼にとって一番最初に駆逐したい人種であった。

櫻啼の邪悪な気配を感じ取った遥風は眉をピクンッと動かし、神経を尖らせた。

しかしその動作はあまりにも小さく、周りの人間は気付かない。

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