溺れる電車
第9章 高鳴り
「もう少しですからね!」
気が付いたときには分娩室。
「ひひっふーですよ!」
双子だけあって、3人がかりぐらいだった。
ひひーふー。
こんなに、痛いのは初めてだ。
「もうすぐですよ」
うう…、もうだめ。
そう思ったとき、
オギャアアアアア
大きな声で抱き叫ぶ赤ちゃん。
そして、2分ぐらいしてもう一度。
オギャアアアアアアアア
「どちらも元気な女の子の赤ちゃんですよ」
そういわれて、赤ちゃんの顔を見る。
すごい...
となりにいた優人は、涙が止まらない様子だ。
「俺と亜美を足して割ったような顔だな…」
まじまじと言う。
「ほんと、かわいい」