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溺れる電車

第1章 通学

「あっ、亜美ちゃん!」

「先輩っ~」


私はもう半泣きで。


「同じ車両だったんだ!」

「先輩聞いてく…」


そう、言おうとした瞬間だった。


「そういえば、亜美ちゃん、女の喘ぎ声聞こえなかったー?」


半笑いで言っていたけど、

私は、それが私なんて言えるはずもなく

ただ、無表情で、どうしていいのか分からなかった。


それだと、疑われるかもしれないって思ったから、


少し笑っておいた。

完全、苦笑いでね。


「おい、亜美ちゃん困ってんだろ!女の子にそんなこと言うなんてお前マジ変態だな」

「だって、あれ、マジエロかったんだもん」


そのエロいって言葉にびっくりして、なぜか、



うれしい



って思った。



ダメだ。


何かが狂う。

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