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第8章 ☆想いと言葉

「営業の帰り?」




信号が青になったので、一緒に歩き始める。




「あぁ、近くで商談があったんだ。
これから会社に戻るところ」

「忙しいんだね。
でもそっか、昇進すると仕事も増えるよね」

「それは翔太もだろ。
最近会ってないけど、あいつ元気にしてる?」




………翔ちゃんの話になって、なんとなく気分が落ちる。




「相変わらず、ほぼ終電で帰ってくる日々だよ。

休日出勤も多いし、あんまり会わないから、元気なのかもよく分かんない」


「……………」





私が声のトーンを低くしてそう呟くと


立花くんは歩きながら私を見て、ふっと微笑んだ。




「翔太はどうでもいいけど、彩ちゃんの元気が無いのは心配だな。

なんかあった?」


「………………」




………こういうところ。


立花くんは、ちょっとした事でもさりげなく気付いて、相談に乗ってくれる人だ。


イケメンな上に、優しいなんて。


翔ちゃんにも、その一部を分けてあげてほしい。

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