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♡*:。.rena's world story.。:*♡

第9章 ☆本当の気持ち

「……波留くん………」




掠れる声で、彼の名前を呼ぶと


吸い込まれそうな青い瞳で、波留くんは私を見つめる。




「……一目惚れをしたのは、本当です」


「…………!」


「だから、ご来店されたのがご主人様だと気付いた時は、もう手が震えちゃいました。

最初から手の届かない人だと分かっていたけど

こんなにも早く失恋するなんて。

……23年間の中でも、最短記録です」




白くで透き通った波留くんの頬が、少しだけ赤く染まったから


胸が熱くなって、気を抜いたら涙がこぼれてしまいそうだった。




「………ありがとう……」




きっかけは一瞬。


だけど、こんなにも真っ直ぐな想いを、彼は私に伝えてくれた。


心から嬉しく思うのに、苦しいくらいに切なくて


私はその言葉しか出てこなかった。




「……ありがとう、波留くん……

好きになってくれて、ありがとう……」

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