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♡*:。.rena's world story.。:*♡

第10章 ☆それだけで、幸せ

「………………」




私は黙ってその紙袋を受け取った。


リボンがかけられた白い箱から、チョコとラム酒の香りが漂う。




「………嬉しい……

ありがとう、翔ちゃん……」




私はその包みをぎゅっと抱えた。




……もう、いいや。

もう少し言いたい気もするけど

素直に喜ぶことにするよ。




ていうか、翔ちゃん波留くんのこと美少年って言った。


確かに、見た目からして10代って言ってもおかしくないもんね。


波留くんの笑顔を思い出して、私も自然と笑みがこぼれる。





「………彩」





名前を呼ばれて、再び顔を上げると


さっきとは一変した真剣な表情で


翔ちゃんは真っすぐに私を見つめた。





「余所見してんじゃねーよ。

………お前は、俺のだろ」

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