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♡*:。.rena's world story.。:*♡

第10章 ☆それだけで、幸せ

 .。.:* side 波留 *:.。.。.:**:.。.。.:**:.。.。.:*




「波留、いい加減泣きやめっての!
早く明日の仕込みしなさいよ」



……3度目のオーナーの指摘でも、涙は止まらない。

さっきは精一杯演技したけど、今は悲しくて仕方ないんだ。



「まーったく。
その惚れっぽい性格なんとかしなさいよ。
失恋の度にメソメソ泣かれるから、慰めの言葉も出し尽くしたわ」

「今回は本当に好きだったんだよ!」




オーナーの発言にカチンときて、思わず立ち上がった。




「年上だろうけど、笑顔が可愛くて。
僕の作ってくれたケーキを、外からじーっと見つめてて……」



……彩さんの微笑みが、頭の中に溢れてる。

理由なんてどーでもいいんだ。

惹きつけられて、一瞬で心を鷲掴みにされたんだよ。



なのに……







「………ずるい!!」



「何が!?
てゆーか、さっきから叫んだりウジウジしたりうざいんだけど!」




キーっと顔を真っ赤にして、オーナーが厨房に入ってきた。

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