♡*:。.rena's world story.。:*♡
第2章 ♥アンジーの春
…………………
「……ん……はぁ………」
呼吸が乱れたままの私を抱えて、再び湯舟に浸かると
隼人は私のおでこに優しくキスをした。
「なぁ、由宇」
「………?」
さっきとは人が変わったような、穏やかな声で
隼人はゆっくりと続ける。
「………お前、寂しい?」
…………え?
突然の質問に、私は驚いた。
「俺、年末年始もずっと家に居れなかったし。
最近は海外ロケも増えてるから。
どこにも連れてってやれてねーよな」
「……………?」
………隼人?
寂しい?って聞いた理由は分かったけど
そんなの聞くまでもないこと、分かるよね?
「全然寂しくなんてないよ。
立花も香ちゃんも、シゲさんもいるし。
昨日もアンジーと2人でゴハン食べたの。
皆がいてくれるから、楽しいよ?」
そうだ、アンジーの話をしなくちゃ。
そんな事を同時に思ってると
「……そっか。 それならいいんだ」
隼人はふっと笑って、私の頭を撫でた。
………………
今、思い返せば
隼人が聞いてきた質問の、本当の意味を
この時の私は、分かっていなかったんだ。