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第3章 ♥忠告
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アンジーの激白があった日から、2週間が経った金曜日。
夕方の6時を過ぎたところで、私はタイムカードを切って社内を後にした。
こんなに早く帰るのは久しぶりだけど、既に待ち合わせの時間ギリギリだ。
携帯を取り出しながらエレベーターを待っていると
「咲原」
後ろから呼ばれて振り向くと
ネイビーのコートに身を包んだ、スーツ姿の立花が近づいてきた。
「立花、どうしてこのフロアに?」
「経理に用があって。今から行くのか?」
「うん。6時半に予約してるらしいから、急がなきゃ」
そんな会話をしている間にエレベーターが来たので、2人で乗り込む。
上の階から乗っていた女性は、みんな立花に目が釘付け。
香ちゃんと結婚してから、その魅力が増してるのは、気のせいじゃないみたい。
「それにしても開始時間が早いな。
公務員って本当にきっちりあがれるんだ」
「そうみたいね。
有給もあるだけ取るのが普通だって」
「すげー。羨ましい」
立花は笑う。
「あいつらの生活とは正反対。
アンジーはそのギャップに惚れたのかもな」