♡*:。.rena's world story.。:*♡
第3章 ♥忠告
そう、アンジーと電撃交際することになった私の幼馴染は、市役所で働く公務員。
彼の仕事の終わる時間に合わせて、今日は私も2人の食事に呼ばれていた。
デートの邪魔にならない?って聞いたんだけど、なんでも恋のキューピットにお礼をしたいから、との事らしい。
「アンジーとは店で直接待ち合わせしてんの?」
「うん。隼人は今日雑誌の対談で、他の担当者がついてるから大丈夫なんだって」
「まぁ、アンジーも今では副社長みたいなもんだしな。
で、どこの店?」
今から行く店の名前を立花に伝えたところで、エレベーターがエントランスに着いた。
2人で一緒に歩きながら、自動ドアを抜ける。
「大変だね、これから外出?」
「いや、今日はもう上がり」
「えっそうなんだ。
香ちゃん、まだ仕事してたよ?」
「あぁ、ちょっと別の用事があって」
昇進した立花は別のフロアになったので、こうして偶然でもない限り、社内ではほとんど会わないけど
毎日夜遅いんですよ~って香ちゃんから聞いてたから、この時間に立花が帰るのは珍しかった。
駅前の交差点に差し掛かり、信号待ちで立ち止まると
私の右側に並んだ立花が、ふいに口を開いた。
「……咲原。指輪は?」