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第14章 ★叶わない願い

.。.:* side 美和 *:.。.。.:**:.。.。.:**:.。.。.:*



「………ヒメ、熱い……」

「………!」




ほとんど渇いた私の髪に、ドライヤーを当てっぱなしで


手を止めていたヒメが、慌ててスイッチを切った。




「悪い。ヤケドしてねぇ?」

「うん、大丈夫だよ。
……ありがとう」




自分でやるっていつも言ってるけど、この甘い時間はヒメの命令。


後ろのソファに座る彼の方に振り返り、ニッコリ笑うと


ホッとしたように、ヒメは私の髪を撫でて微笑んだ。




「…………」




……珍しいな、こうしてヒメが優しい表情をするなんて。


コンセントを抜いてドライヤーを片付けるヒメの前に、私は膝を立てて目線の位置を合わせた。




「……なにか、あったの?」

「え?」

「おとといの日曜にも、泊まったばかりだし。
平日の夜に突然来いって言われるの、今まで無かったから……」




こうしてヒメのマンションに泊まるのは、大抵金曜の夜か週末だ。


それに


夜ご飯を食べてる時から、一緒にお風呂に入った後の今でも


ヒメは何か考えてるみたいで、ほとんど話をしないから


少し心配になってしまう。




「なんだよ、平日は俺と逢いたくねーってわけ?」

「……え!? 違……きゃっ!」

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