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♡*:。.rena's world story.。:*♡

第14章 ★叶わない願い

もう姿が見えなくなったヒカルさん。


彼女の座っていた席を見つめて、ヒメが静かに口を開いた。




「……昔。

高校の図書室に呼び出された時、美和が口にした “ 願い事 ” を……

俺、今でも覚えてるんだ」


「………えっ?」




突然のヒメの言葉で、ドキンと心臓が鳴る。


……高校の図書室……


制服を着た私が1年間、彼を見続けていて


まだ夏の暑さが残る都大会の前に……


彼に想いを告げると、ヒメに報告をした場所だ。




「………どんな願い……?」




破裂しそうな胸を抑えて、真っ直ぐヒメを見つめる。




「 “ みんな、幸せになればいいのにね ” 」



「…………!!」



「みんなが好きな人に、好きになってもらえたらいいのになって、お前俺にそう言ったんだよ。


あの時は、バカじゃねーのって思ったけど


……10年経った今になって


あの頃の美和と


同じ気持ちになってる自分がいる」

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