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♡*:。.rena's world story.。:*♡

第15章 ★5分の差

「…………!」



メールの差出人の名前を見て、コーヒーをテーブルの上に置く。


ヒメと同学部の友人であり、4年間水泳部のマネージャーをしていた仲間。


そいつからの久しぶりのメールを見て


俺の指は無意識のうちに、ヒメを後回しにすることに決めた。




「ヒカル!」

『………うわ、いきなり?』




素っ気ない掠れ声も、当時のまま。


とはいっても、就職してからも水泳部のメンバーとは何回か集まってるし、約1年ぶりってところか?


メールした直後にかかってきた電話で、ヒカルは少し戸惑っているようだった。




「昨日シアトルから帰ってきたばかりなんだよ。
タイミング良かったな」

『へ~。
相変わらず飛び回ってるのね』

「ヒカルもそうだろ?」

『あたし蓮に言ってなかったっけ。
辞めたんだよ、転職したの』

「マジ?」




大学4年の春、大手旅行会社の総合職をヒカルが掴み取ったときは


柄にもなく、ヒメ達と一緒になって大はしゃぎしたのを今でも覚えている。




………転職したのか。


27にもなれば、男も女も色々と見えてくる時期だ。

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