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♡*:。.rena's world story.。:*♡

第15章 ★5分の差

電話を切って、蓮が訂正した記念碑の前で思わずしゃがみこむ。




「……はぁ。
ほんと、どんだけなのよ」




冷静を装って素っ気ないフリをしても、遥かに上回るツボを突く攻撃で


結局あたしの心は、蓮に鷲掴みにされてしまう。




“ よく決意したよ、ヒカル。
頑張ったな ”


……何も言ってないじゃん。
なんで褒めてくれんの。



“ そう言うなって。
器用な手持ってるんだから ”


……それ、いつも言ってくれるけど。
マネージャーだったからそう感じるだけだよ。



“ 女なんだから、体大事にしろ。
お前の代わりは、誰もいないんだからな ”



「……………」



………トキメキとか、キュンとするとか


女心なんて皆無のあたしが、そんなの感じるはずがないのに


蓮があたしに告げるひとつひとつが、宝石のように胸の奥で光を放つ。




「……ばかやろう」




あたしの気持ちを知らないから、そーいうこと平気で言えるんだ。


……って、ずっと隠してきたんだから知らなくて当然だけど。




胸の奥に閉じ込めた、蓮への恋心。



本人も知らないこの片想いに気付いてるのは



………彼と同じ名前のヒメだけだ。


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