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♡*:。.rena's world story.。:*♡

第15章 ★5分の差

「……ねぇ、あれ見て」



ふいに、エントランスの方向から女の声が聞こえた。


顔を上げると、いかにもOLといった格好の2人組が、少し離れたところからこっちを見ている。


パっと見、あたしより年上。


……もう夜の10時を過ぎてるけど、女でも関係無しに働いてるんだな。


軽くそんなことを思いながら立ち上がると、なぜかその2人組が近付いてきた。




「……もしかして、例のストーカーじゃない?」

「え~! やだ~~!!」




………は?


ロングの髪をこれでもかってくらい巻いたコンサバ風の女が、あたしを全身ジロジロと見てくる。


なに?

感じ悪いな。




「……なんですか?」




腕を組んで睨み返すと、もう1人のストレートヘアの女がクスッと笑った。




「しつこいわ~。
強制解雇させられても、まだ諦めずに出待ちってわけ?」

「……え?」

「派遣のくせに、図々しいったら。
彼の迷惑になってるって、まだ分からないの?」




2人は声をひそめると、何やらコソコソと話している。


……状況がイマイチ掴めないけど、完全に誰かと勘違いしてるな。



なんだよ出待ちって。

まぁ、あたしも傍からそう見えるかもしれないけどさ。



何も言ってないのに、勝手に決め付けるって

女って、やっぱり恐ろしい生物だわ。

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