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♡*:。.rena's world story.。:*♡

第15章 ★5分の差

「……人違いですので」




溜息をついて、その場から離れようとすると


2人は同時にキッとあたしを睨んで、エントランスの前を塞いだ。




「鈴木蓮くんなら、もうお帰りになりましたよー」

「…………!」




その名前を聞いて、ドクンと心臓が鳴る。


何千人って社員がいるのに、なぜその名が出るんだよ……


硬直したあたしを見て、2人はニヤリと笑った。




「やっぱりね。何が人違いよ。
自覚が無いって怖いわ~」

「部署へのイタズラ電話もあなたでしょ?
しかもたまに内線でかけてきたらしいし、頭悪いのね」



香水の匂いを振り撒いて、ケラケラ笑い合う2人。


………話の流れからして、あたしじゃない誰かの事だっていうのは確か。


だけど


金縛りにあったように、あたしの体は動かない。




「……ねぇ、まさか。
少しでも望みがあるって思ってたの?」

「…………!」




笑うのをやめた巻き髪の女が、低い声で続ける。




「蓮くんにはねぇ、CAやってる彼女がいるの。

私も一度見たことがあるけど、ものすごい美人。
性格も良いって噂よ」


「…………っ」


「そうね、しいて言うならあなたと正反対じゃないかしら。

……あなた、お世辞にも綺麗とは言えないわ」

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